今月のコラム
 六法物語 「身近にある法律」 有斐閣  望月利正

 私たちの身のまわりには,思ったより法律にかかわることが多くあります。
新聞やテレビなどのニュースのなかにも,しばしば法律の問題が絡んでいます。
法律の問題を考える時のベースとなるのは法律の条文です。それを編集したものに「六法全書」があります。
六法全書の「六法」という言葉は,憲法・民法・商法・民事訴訟法 ・刑法・刑事訴訟法の六大法典を指していますが,
明治6年6月発行の「仏蘭西法律書」という本のなかで,箕作麟祥博士が使ったのが最初と言われています。
この本には,ナポレオン制定の五法典(民法・訴訟法・商法・治罪法・刑法)と憲法が収められており,
6件の法律という意味で「六法」という言葉が使われたにすぎないようです。
ただ、憲法の部には,憲法のほかに元老院決定書などをあわせて収録してあり,訴訟法は裁判所法と民事訴訟法が
一つになったようなもので,今日使われている内容とは違いがあります。
 現在,日本で効力を持っている法律の数は,1741件,政令などが1817件,府庁省令が2899件とされています。
(平成12年6月30日現在)。
これには条約,規則,訓令,告示などが含まれていませんから,すべての法規の数は相当な数となります。
これらはとても一冊の法令集に収められるものではありません。  
とくに法律専門出版社としてトップの地位を占める有斐閣が発行している「六法全書」は,その多くの法令の中から
どの法令を選択し,収録するかに十分意が注がれており,それが大きな特徴となっています。そのほかに同社からは,
「ポケット六法」,「小六法」,「有斐閣判例六法」,「電子ブック版TM 有斐閣判例六法」の5種類の六法が発行されて
います。また,他社の「六法」という言葉を冠したものとして,公務員法,地方自治法,教育法,など,法令別に収録した
約200種類の分野別六法も発行されています。  法律は難しいから,とっつきにくいからといって,あたまから敬遠しないで,
ふだんから法律の条文に馴染むように心がけ,ごく常識的な法律の知識だけは身につけておくようにしたいものです。
これは権利を守るためにも,不測の損害を被らないためにも是非必要なことです。