●日本の出版文化展
 1987年(昭和62)政治経済を中心に中央集中の地方格差が広がるなか、出版流通も例外でなかった。図書館サ−ビス網の充実を望む声の高まりとともに、あらたな読書運動も求められ、鳥取県では市民主導の、読者、著者、出版業界人、図書館人が一体となった読書環境整備のイベントが実行された。読書週間に合わせ、図書3万点を鳥取県内3市の会場で移動展示し、出版、文芸、音楽など、地域の活性化につながるシンポジウムや講演会も開催した。この試みが全国各地にあたかも国体のように広がる期待も込め、「本の国体」と称した。
 「地球はいま」をテ−マに、テ−マコレクションの本を集めた。
〔いのち〕
 
生まれ、愛し、死にゆくもの、誕生・家族・学校・性・恋・結婚・エイズ・ガン・老い・死。
〔自 然〕
 
ヒトのいのちを包みこむ、もう一つの大きないのち。宇宙・地球・地震・水・森林・捕鯨・資源・アウトドアライフ・エコロジイ。
〔社 会〕
 
いのちを守り、育むもの。いのちを脅かすもの。戦争・民族対立・軍備・貿易摩擦・食料危機・原発・平和・音楽。
 「本が読者にわたるまで」では、紙のできるまで、製本、印刷と、本の周辺にまで読者の関心をひきこんだ。この新しい読者運動は「本の国体」という名称とともに、全国に波紋をよんだ。
 ブックイベントのなかの「全国各地の本」の展示は、「本の国体」を第1回とする、「ブックインとっとり全国各地の本」展示会となり、毎年の読書週間には県内各地で巡回展示、審査員と県民の投票で優秀作品を表彰する、「地方出版文化功労賞」制度となった。
   参考資料 本の国体/記録集 昭和63年 本の国体実行委員会発行。