第10回 出版業界人研修 基本教育講座
6月14日(月)
塾長挨拶/花井 満(はない みつる) 郁文塾塾長

お早ようございます。
塾長の花井満でございます。

山陰各地の書店の皆様、そして奈良、佐賀、京都からご参加の書店様。
2004年、「本の学校・書店人教育講座」へのご参加を、厚くお礼を申し上げます。

 本日お見えの、日本書店大学学長、田辺先生には、講座構築に丹念なご指導を賜りました。心より感謝いたしております。

 開講ご挨拶はお手元の講座案内に書いたものに代えさせていただきます。
第10回となります本講座は、昨年から、鳥取県書店商業組合の、中小企業雇用環境改善事業助成認定を受けて実施する、「書店従業者の教育の充実」という事業と共催するものでございます。理事長と総務研修委員長連盟のコトバもお読み下さい。

 「春講座」は出版業界から11人の方々が講師を勤めて下さいます。春、夏、秋を通算すれば、27人の業界人が27講座を分担して下さいました。

 私たちは、書店人という職能者です。職能は常にその基盤を確かめ磨いてこそ職能と見なされます。

 皆様のお役にたちますことを念じ、開講の言葉といたします。
来賓挨拶/田辺 聰(たなべ あきら) 日本書店大学学長


 本日は第10回本の学校春の講座開講式にあたりまして、お祝いとともに若干の所信を申しのべたいと思います。
 ここ1,2年にわかに書店の存在が大きくクローズアップされるようになりました。
ひとつには、今まで考えられなかったことですが、

1:書店の売り場のコーナーでこどものための読み聞かせなどのイベントが展開されたり、子供が本を読まなくなった原因はなぜか、読者と直接接する書店の店長さんがインタビューを受けたり、意見をきかれます。

2:「本屋大賞」という書店のス.タッフが立派な本を推薦して賞を贈る、というイベントができてマスコミがいっせいに報道したり、

3:『週刊文春』5月17日号のように、出版差し止めの仮処分が出たときの対応など、読者と直接接する書店は出版の自由に直接かかわるような事態に直面しはじめました。

4:また、巨大書店グループが積極的に全国展開を始めて、日本の中核都市の文化の画一化とどう対応するか、社会に大きな影響を与える現象で、関心が高まっています。

 このように考えますと、今ほど書店の杜会的地位が高まり、書店の発言力が増し、書店の社会的存在に注目が集まっている時代はありません。

 それだけに、わたしたちは一流の書店人としての見識を磨き、身につけなければなりません。

 この本の学校の母体は、ご承知のように明治以来130年あまり、郷土の文化を育てて参りました今井書店であります。

 現在の今井書店グループを支えておられるのは、今井直樹さん、永井伸和さん、田江泰彦さんのお3方ですが、特に3代目の今井兼文先生は、この後継者であるお3方をいつもおそばに呼ばれて、書店人は書店業務という職業の専門的な勉強をしなければ、将来、必ず他の業界におくれをとる、とさとされました。この本の学校はこうした遺訓が建学の精神となって設立されました。

 全国に超大型書が展開されています。この建学の精神を現代風に考えれば、中堅書店といえども、勉強しなければ超大型店グループに太刀打ちできなくなる、ということでもあります。

 私たちは、今日、この本の学校で勉強する機会をもちました。本の学校という私塾は、書店人となるための、いま日本でもっとも完備されたすばらしい学校です。
この数日の勉強で卒業できるわけではありません。水戸の藩校として有名な弘道館には入学には、藩主の水戸公の御前試験はじめ厳しい試験がありましたが、生涯果てしない勉強を目指して卒業はありませんでした。

 本の学校で学習される、今日をきっかけに書店人として、生涯学習をつづけて頂きますようお願いをいたしまして、わたしのごあいさつといたします。
本の歴史/能勢 仁(のせ まさし)  ノセ事務所

1.文字のはじまり
      アルタミラの洞穴・・・野牛の絵クロマニオン人が源始時代に
                   描いた絵。記録の始まり。
      絵文字=象形文字
      象形文字 例 山、鳥、魚、月、日
      漢字・・・日本には3世紀末百済の王仁が干字文をもたらす
      表意文字 ローマ字が代表的
             ひらがな・・・い似ろ呂は波に仁ほ保へ部と止
             カタカナ・・・ア阿イ伊ウ宇工江オ於
                  漢字を簡単にした表音文字
             数字…アラビア数字、ローマ数字
2.太古の本
      語りべの時代・・・「古事記」を伝えた稗田阿礼
                 「イリアッド」「オデッセイ」・・ホメロス
      甲骨本・・・亀の甲や獣の骨に書いた本
              (BC1200-1300)
      竹簡本・・・後漢の中頃から紙の発見まで
      木簡本…後漢の中頃から紙の発見まで
      結縄の本
      石の本・・・ナポレオンのロゼッタストーン
      粘土板の本・・・クレイタブレットという・・大英博物館蔵
                楔形文字(せっけいもじ)の発生

      貝殻の本
      パピルスの本・・・ナイル河畔にてBC3500年
             紙と同じ性質の植物の繊維から作った番写の材料な
             ので紙の元祖といえる。英ペ一パー 佛パピエ
             独パピール露パープカはパピルスからきた
      皮の本・・・羊皮紙(ヴェーラム)・・法典,聖書に用いる
             羊皮を石灰水に漬け外面の毛と内面の肉をそぎ取り
             滑らかにするために石灰と軽石で磨き、それに
             チョークを塗って仕上げる

          写本=マニュスクリプトManuscript
           これはラテン語のmanus cri ptus(手で書く)からきた
           印刷術発明前までの印刷物をマニュスクリプトと呼ぶ
3.紙の発明
       AD105年祭倫(後漢の時代)が発明

      日本の紙
         曇徴(どんちょう)(高麗こま)が610年に製紙術と墨を
         伝えた。製紙材料は麻、雁皮(がんぴ)、こうぞ(楮)、三椏
         (みつまた)であった。

      紙の製法
         樹皮,麻くず,ぼろきれ,古い漁網などを原料にして、それに
         水分を含ませ発酵させ石臼でひき,安価な紙を作り出す。

      紙の伝播
         AD150年敦皇  200年楼蘭  300年吐魯藩トルハン
         751年サマルカンドに伝播
            中国とサラセンの戦いの結果捕虜の中に製紙工がいた
         793年 バグダッドに製紙工場出来
        1100年 モロッコに
        1150年 スペイン シャティヴァに
        1189年 フランス エロー 中世最大の製紙国
        1270年 イタリア ファブリアーノ
        1390年 ドイツ ニュールンベルグ
        1494年 イギリス
        1584年 オランダ
        1690年 アメリカ フィラデルフィア

4.印刷術の発明
        印刷のはじめ   木版・・・版木、木版刷り
                   銅版・・・鋼版刷り
                   活字・・・一字一字の版、活版刷り
                   活字の材料・・・木、銅、鉛
        1444年グーテンベルグが発明(金属の活字)
        火薬、羅針盤と共にルネッサンスの三大発明

        世界最古の印刷物
             百万塔陀羅尼 高さ14.5センチ
                    お経の大きさ幅5.5センチ 長さ45センチ
             称徳天皇が世の中の平和を祈願誌、陀羅尼というお経の
             文句を小さい紙片に印刷し塔に入れた。
             法隆寺、薬師寺、東大寺等10のお寺に10万基寄進した

5.ヨー口ッパの印刷術の発達
    1444年   グーテンベルグ 42行聖書発行
    ドイツ   マインツを中心にストラスブルグ、ケルン、ニュール
          ンベルグ等、1500年には全都市に発展
    イタリア  1464年にスピアコ(ローマの近く)に印刷術が伝
          得られ、ヴェネツィア、フィレンツェが印刷の中心
          ローマン体活字、イタリック体活字を完成

    フランス  1470年ソルボンヌ大学内に印刷所設ける
    オランダ  1470年グーテンベルグの方法がユレヒトに紹介さ
          れる
    スペイン  1468年バルセロナで印刷物発刊
    ポルトガル 1484年旧訳聖書刊行
    イギリス  1477年ウイリアム・カクストン・・・イギリス
          最初の活版印刷者
          <カクストン版>の元祖19世紀に起こったモリスの
          ケルムスコット版に影響を与える
          トロイ物語・・世界初の英語活字本
    ロシア   1553年モスクワで「使徒行伝」発刊
    メキシコ  1540年「大人の手引き」発刊
    アメリカ  1640年スティファンがマサチューセッツ州のケン
          ブリッジに印刷所を開く

6.16世紀の本
    ルター   「旧約聖書」「格言集」「愚痴神礼讃」
    マキャベリ 「君主論」
    モンテーニュ「随想録」
    トーマスモア「ユートピア」

    愛書家ジャン・グロリエ
     彼のデザインした本は「グロリエ式装丁」として有名

7.17世紀の本
    ヨーロッパの出版・造本界は不振に陥り暗黒時代であった

    シェクスピア 史劇、喜劇、悲劇の37篇の戯曲と7篇の詩
    ウオールトン 「釣魚大全」
    ミルトン   「叙事詩・失楽園」
    バニヤン   「天路歴程」
    デカルト   「方法序説」
    パスカル   「パンセ(冥想録)」
    セルバンテス 「ドン・キホテ」

8.18世紀の本
    産業革命 1760-1830年
    フランス革命 1789年
    アメリカ合衆国独立 1776年
    デフォー「ロビンソン・クルーソ」
    スウィフト「ガリヴァー旅行記」
    モンテスキュー「法の精神」
    ディドロ「百科全書」
    ルソー「エミール」「懺悔録」
    スミス「国富論」
    バーンズ「詩集」
    ビューイック「イギリス鳥類史」
    マルサス「人口諭」
    フランクリン「自叙伝」

9.19世紀の本
    アメリカ   南北戦争
    ヨーロッパ  普仏戦争
    アジア    アヘン戦争、太平天国の乱
    1869年    スエズ運河
    日 本    大政奉還 廃藩置県 日清戦争

10.20世紀の本
    第一次、第二次大戦
    日露戦争、満州事変、日中戦争、太平洋戦争
    口マン・ロラン「ジャン・クリストフ」ノーベル賞1915年
    ジョイス「ユリシーズ」
    マルタン・デュ・ガール「チボー家の人々」ノーベル賞37年
    トーマス・マン「魔の山」ノーベル賞1929年
    ヒトラー「わが闘争」
    ロレンス「チャタレイ夫人の恋人」
    ミッチェル「風と共に去りぬ」、
    ウイリアム・モリス
      「ケルムスコット・プレス」
      美しい書物の制作、理想の活字の考案者
      1896年「チョーサー著作集」が代表作

    コブデン=サンダーソン
      「ダヴス・プレス」
      1903年「欽定訳英語聖書」刊行

11.日本の中世
    装丁方法・・・巻子本、折本,粘葉装(でっちょうそう)
           袋綴
    僧院出版が中心
      春日版,東大寺版,西大寺版、法隆寺版,高野版,五山版
      堺版,大内版,薩摩版・
    1590年 キリシタン版(ヨーロッパ活字印刷術)
        イエズス会イタリア人宣教師による

12.近世
    草双紙・・・赤本
          青本
          黒本
          黄表紙・・・酒落本
          合巻・・・柳亭種彦、山東京伝、滝沢馬琴

  出版流通の変化

明治時代 明治の初期は出版社が同時に小売書店であった。出版物が少ない
     うちはこれで問に合った。出版物が普及するにつれて、卸と小売り
     が分化されて、卸を専業とする業者が現れた。

  1878年(M11)良明堂・・・新聞他、雑誌・書籍を扱う
  1886年(M19)東海堂
  1891年(M24)東京堂 この他、上田屋、北隆館、至誠堂

明治初期の雑誌 M1O 団団珍聞まるまるちんぶん 風刺雑誌
        M12 東京経済雑誌 M15政治叢談 M18女学雑誌
博文館の登場

   M20年創業 大橋佐平、新太郎親子により大量生産、販売の出版方式始る
   日本大家論集で成功、その後太陽、少年世界、少女世界、文芸倶楽部発刊
   博文館の出版関連事業

   博文館は明治時代を代表する大出版社であったが、昭和2年「太陽」廃刊
   後から衰退。現在は博文館日記に名をとどめる。

実業之日本社の委託販売制
   M39「婦人世界」は返品自由の委託販売制度を導入
     「婦人世界」30万部、博文館「女学世界」は7万〜8万部

講談社の誕生
   M42 野間清治が大日本雄弁会として創業、「雄弁」発刊
   M43 講談倶楽部を発刊 講談社となる
      その後少年倶楽部、面白倶楽部、婦人倶楽部、現代、少女倶楽部
      キングT14年発刊 幼年倶楽部発刊 雑誌王国となる。
      キングの創刊 50万部完売 重版して74万部 返品2%
      昭和3年150万部達成
      昭和6年 九大雑誌の発行部数は全国部数の80%、販売額は60%に達した

●明治期に生まれた出版社 33社

   以前  法蔵館、吉川弘文館、わんや書店
   以降  M2丸善 M8金原出版 M10有斐閣 M12春陽堂 M13南江堂、内田
       老鶴圃 M14三省堂 M15しんしん堂 M19富山房 M23河出書房、
       早稲田大学出版部、大日本図書 M24東京堂、芸そう堂
       M28東洋経済新報社 M29裳華房、明治書院 M30同文館、新潮社
       山海堂、実業之日本社 M32中央公論社 M34有朋堂 M37南山堂
       美術出版社 M38明治図書 M40婦人画報社 N41婦人之友社
       M42講談社、研究社

大正時代
●岩波書店の誕生と定価販売制度

     T2 岩波書店創業 漱石「こころ」を刊行、成功する
     T5 発行物の奥付に「本店の出版物はすべて定価販売御実行被下度候」
       と印刷した
     S2「岩波文庫」発刊ドイツレクラム文庫に範をとる
     S13「岩波新書」発刊岩波文化確立

●雑誌文化の大正時代
     総合誌 中央公論 T8改造この二誌が大正デモクラシーをリードする
         文芸春秋 菊池覧創刊する
     婦人誌 2年婦人世界 5年婦人公論 6年主婦之友、婦人界
         9年婦人倶楽部
     週刊誌 11年週刊朝日、サンデー毎日…週刊誌の始まり
     学年誌 11年小学1年生…学年誌の始まり

昭和時代
●円本時代 T15改造社「現代日本文学全集」全37巻予約定価一円35万部
      S2新潮社・世界文学全集28巻50万部、明治大正文学全集
      春陽堂、現代大衆文学全集・平凡社、世界大思想全集・春秋社
 廉価本の全数約200種が発刊されたが、昭和4年には下火となった。
 出版界に大量出版、大量販売の体制と新しい読者が開拓された。出版史上この時期を
 「円本時代」と呼んでいる。

●文庫本時代 S2岩波文庫 4年改造文庫 6年春陽堂文庫 8年新潮文庫創刊
      円本ブームの最中、その反動として文庫が誕生した
      岩波文庫の三木清の発刊のことば「真理は万人によって求められる
      ことを自ら欲し、芸術は万人によって愛されことを自ら望む」は有
      名である。

      昭和初期の文庫時代を第一次文庫ブームと呼ぶ。その特色は古典主義、
      教養主義、文芸主義である。

●百科事典の発刊
   明治41年 三省堂「日本百科大辞典」発刊・・・大正八年完成
   大正3年 平凡社「や、此は便利だ」下中弥三郎社長の命名
   昭和6年 平凡社「大百科事典」完成
   昭和36年 平凡社「国民百科事典」完成事典ブームのきっかけを作る
        小学館、学研、旺文社、三省堂等が参加
        一冊もの百科事典が刊行される…講談社、保育社、主婦生
   現在はCD-ROM版、DVD-ROM版が主流。

昭和20年以降の出版流通

昭和20年代
   日配閉鎖され今日の流通原形ができる
     東販(H4よりトーハン)日販、日教販、中央杜、大阪屋
   第2次文庫ブーム(角川S21発刊)約90種
   全集ブーム(角川S27昭和文学全集)
   新書ブーム(カッパ・角川・河出・三笠新書など)
   平凡(S27)美空ひぱりスタート100万雑誌

昭和30年代  業界が飛躍した10年 二つのエポック
   皇太子と正田美智子さんご成婚と東京オリンピック
   週刊誌ブーム(週刊新潮創刊)
   百科事典ブーム
   経営書ブーム
   太陽の季節

昭和40年代
   40年代前半 全集ブーム セット販売・クレジット販売
   ○ブックスト
     河出書房・三省堂倒産・筑摩・平凡杜硬派版元危機

昭和50年代
   一ケタ成長 返品率40%以上
   地方・小出版流通センター発足
   角川商法注目される、出版物+映画+音楽の立体・販売

○新再販制度スタート
   昭和54年業界売上一兆円達成
   窓ぎわのトットちゃん昭和56年430万部

昭和60年代・平成年代
   消費税の対応
   郊外型書店の誕生・複合型書店…書店革命
   出版型VAN構想
   独禁法適用除外に拍車


*講師プロフィール*
1933年千葉市生まれ。慶応大学卒業後高校教諭を経て、多田屋常務取締役、平安堂取締役研修部長、アスキー取締役出版営業統括部長を歴任。現在、ノセ事務所代表取締役。著者:「出版業界がわかる本」「書店経営がわかる本」(山下出版)「今・書店業を読む」(実務教育出版)「書店」(教育社)「新・書店発想法」(出版ニュース社)「書店の商品管理」「書店の社員教育」(日本書店大学)「世界の書店をたずねて」(本の学校 郁文塾)他多数。


雑誌の営業戦略/黒木 重昭(くろき しげあき) 小学館

1、 年の雑誌の動向

1995年からのデータを見ると、稼動点数は増え、発行数部数は減少、返品率は増加している。この現象をどう考えるか?そこで雑誌の果たす役割をもう一度考え直す必要があるだろう。

2、雑誌の果たす役割

 経済的役割―――出版社にとっては安定的な売上げが確保できる。次の商材の牧場になっている。メディアとして広告宣伝媒体の役割がある。広告収入が期待できる。(広告収入は雑誌の単価を安くする機能も持つ)資金繰りがやりやすくなる。

 経済的役割―――書店にとっても安定的な売上げが確保できる。雑誌から他の書籍を関連購入をさそう。雑誌は発売後早いうちに売れるので資金繰りの財源になる。

 社会的役割、テレビや新聞などではできない深い報道性をもっている。雑誌ごとに個性的なメディアともいえる。それらゆえ、部数は小さくとも大きな影響力を持っている。(個人情報保護法案などで報道の規制はなされるべきではない。)その場を設けているのが書店の雑誌の売場である。その書店の売場を通じて、きめの細かい読者とのコミュニケーションも可能になってくる。

3、 誌の売り方が変わりつつある

○定期購読読者重視の傾向。

○店頭デモが大はやり。(セブンイレブンでも言葉によるコミュニケーションを図っていくことを企画し、来店顧客を増やそうとしている。)

○一般誌、情報誌、コミック誌の凋落

○個性派雑誌の台頭。ターゲットを絞り込み雑誌以外だけでなく生活提案として総合的に、書店も考えていかねばならない時代になりつつある。

○不健全(有害)図書を考える。東京都の条例(不健全図書の販売は紐かけかビニールパックが義務づけられ、違反には30万円以下の罰金など)が7月から実施される。

○配本の研究。返品ゼロ週刊誌の配本を3冊増やすと実売は増えるのでその面の努力も書店では不可欠。

4、 誌の課題

読者の高齢化――人口の減少、対策は雑誌だけでなく派生的な商品の開発販売も。
低年齢層の読者をどのように育てるか。幼児誌の普及が鍵を握っている。
地方の時代をどのように演出するか。

*講師プロフィール*
1943年宮崎県生まれ。1966年小学館に入社。営業部門11年、書籍の発行部数や配本を決めたりするデスクワーク10年、企画室5年、コミックスやデジタル販売部門4年という経験を経て、宣伝部長、雑誌営業部長を経て、現在マーケティング局執行役員兼ゼネラルマネージャー。


店頭における雑誌の演出・売場対策/安藤 裕明(あんどう ひろあき) 日販西部雑誌課

 勝ち組の売り場作りの法則について考える。

 雑誌販売は厳しい状況が続いていますが、その中で、売上げを確実に伸ばしている書店が多くあるのも事実です。

 そのような書店は、顧客ニーズに応える適切な品揃えを行い、そこに新しい情報と好奇心を満たす期待感を打ち出している。雑誌の売上げから中心顧客を把握し、ストア・コンセプトを打ち出している。(店長の目指す、作りたいお店はなんですか?を考えてみましょう)

 適切な品揃えには、まず定期雑誌の動向を分析し、売切れ商品チェック、陳列場所の再検討、鮮度落ち商品の抜き出し、次いでジャンルの売行き良好書の発見と売場スペースの拡大、ターゲット・ジャンル内の単品をストア・コンセプト確立を意識した検証を行う。これらを店頭POSデータを集約し4つのジーン32のジャンルごとに売上げ構成比・売上げ推移・他店との売上げ占有率比較など科学的な分析をする。

 好奇心を満たす売場の演出は基本事項のチェックをし、課題発見から、表紙陳列、POP、鮮度管理陳列ローテーション化などを行う。行って、その結果を点検し、さらなる課題の発見、対策へと循環していく。

ムック市場。ここでも実情に合わせたハンディーターミナルによる鮮度管理による抜き取りと発注を行った結果、作業者の経験や知識を問わず一定の作業レベルを維持でき、作業時間も短縮され、省力化が実現。商品演出面では低パワー商品を抜き取りスペースを確保し良好書を表紙陳列する、これによって陳列強化、補充発注、新刊返品の防止などにつながり売上げアップを実現していく。

 コミック市場は最近厳しいものがある。コミックの店頭オペレーションとしては、基本在庫リストで欠本チェック、抜き取り候補リスト、平台在庫銘柄のチェックを随時行い、週間では平台銘柄・発注漏れのチェックをおこなう。例えば、エンド平台では確実に実売に結びつく新刊やアニメ化ドラマ化タイトルを、棚前平台でが長期安定上位タイトルを1ヶ月に一度見直し、棚ではロングタイトルを3が月に一度見直す、などにより売上げアップが期待できると考えられる。

 お客様の好奇心の刺激。

人間の購買力はまず目で見ておよそ40〜50%の購買意欲が、手に触って70%くらいと言われるので、商品のアイキャッチの強化が重要。ほかに、創刊誌のアッピール、面白い付録のアピール、TV・新聞をにぎわしている関心事をアッピール、お客様に合ったチラシによる情報提供、売場の季節感の演出・季節的フェア、売場を楽しくするPOP活用などによってアイキャッチの強化が考えられ、刺激できる。

最後に「雑誌は手をかけた分だけ、必ず結果をだせます。」

*講師プロフィール*
1954年宮城県生まれ。1978年日本出版販売(株)に入社。雑誌仕入総括・月刊誌・コミックの仕入・販売に携わり、この4月より西部雑誌課長として西日本エリアの書店窓口となる。