| 第7回 出版業界人研修 基本教育講座 | |||
| 5月8日(火) | |||
| 塾長挨拶/今井直樹(代理) | |||
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| 書店は太陽である/田辺 聰 田辺企画 | |||
| <項目> ●水戸藩の弘道館 ●読者との契約 ●書店スタッフは高度な専門職 「The right book,for the right person,at the right time.」 川柳雑誌「番傘」の作家岩井三窓に忘れられぬ読書への句がある。 「近寄るな、男が本を読んでいる」というのである。読書は添い寝のときから…とか、そんな読書推進スロ−ガンが多いなか、読書は全身全霊を込めてするものだという、男の所作を感じる。近頃は「近寄るな、女が本を読んでいる」ということになっているようだ。 平塚らいてうが明治44年、女性だけの文芸誌「青鞜」の創刊で叫んだ言葉が「元始、女性は太陽だった」というのだった。当時は人を刺すような衝撃的な出来事である。その叫びが今、男どもに分かってきている。出版業界の太陽は、読者と直接向き合っている書店であり、取次でなければならない。書店が自ら発熱体となって、太陽であり続けるには何をしたら良いか。その前に次の心構えをしてほしい。 その1. IBMは「think」を社風にしている。社内で使用する1本の鉛筆にもそれを入れている。「考えよ!」。これは日常のル−チンワ−クではないのである。 その2. 「聞いたことはやったことではない」「見たことは実行する」。これは私たちの研究会が各地の書店視察の時の合言葉である。 幕末には名のある私塾がある。萩の松下村塾、大阪で緒方洪庵が開いた適々塾(適塾)などである。適塾は洪庵が江戸へ移るまでの僅か17年間で終ったが、明治日本に大きな役割を果たす福沢諭吉や大村益次郎を輩出した。勉強するとはどういうことであるのか、知る例である。「本の学校」で系統立てたテキストを学ぶのであるが、この学校の思想の基盤となった今井書店三代、今井兼文の志を体得してほしい。 徳川斉昭は水戸の弘道館で子弟の育成に努めた。彼はペルリが来航する30年も前に外国の脅威を予告したが、幕府は取り合わなかった。 書店は今、読者と接する最前線で危機感を体感しているはずである。目をひらいて物事を見ている書店人は、このことをはっきりわかっている。 <項目> ●文化の螺旋型発展 ●木版→金属活字→電子出版 ●情報化時代・言論の自由と読者 ●出版界の三位一体思想 ●産業として成立した出版業 ●読者層の形成 ●出版界のIT導入 ●流動化する出版流通 ●充実する本との出会いの場 現象として感じたものを、本の姿に定着するのが出版社(著者・編集者)である。本は取次を通り、書店から図書館・読者に渡る。読者に読まれた本は社会の動きとなり、出版社のウォッチングで、また本になる。この繰り返しは言論・表現の自由を柱とし、時系列螺旋状に発展していった。 我々のしらないところでなにかが起こっている。本を作るのはパルプであり、昭和40年代の業界は、製紙印刷の工業力と、強大な広告力で本が売れた。 いまIT時代となり、古典的書店の仕事から脱皮しなければならなくなっている。読者と最終的にまみえるのは書店である。読者の動向を一番知っている書店が、本を作る出版社にどれだけフィ−ドバックしたのだろうか。ほんの一握りの人たちだけで本がつくられてはならない。業界全体が一つになって行く、それが三位一体である。 オリエンテイションという言葉は、キリスト教のオリエントからとられている。オリエントは東方、つまり一つの方向を向くということで、父と子と精霊が一体となるというのである。三位一体とは、一つの方向に向くことで、大きな効果を上げることである。 木版出版が金属活字に移り、電子出版が出現した。読書界は紙で伝える情報、電子で伝える情報、両方を受容することになった。書店は読者に、読者が求めるものを、一番利用価値の高い方法で伝えなくてはならない。 出版業には聖域という考えがあった。今45億冊の生産産業である。出版産業という呼び方がされている。出版業界には産業人の自覚が必要である。また文化人の意識を持たなくてはならない。産業人として、定価を外れたものは産業人の考えで対処しなくてはならない。 ヴァ−チャル書店はそれほどの浸透がない。読者は本の手ざわりが喜びである。ヴァ−チャル書店のデ−タベ−スの作り方に問題もあるが、2割程度が上限というのが大方の考えである。しかし、脱グ−テンベルクの世界にあることも確かである。流通は多重的チャンネルになる。 書店はオンデマンド出版という、新しい読者に、新しい形の対応も求められる。時間の競争である。 <項目> ●読書推進運動の高まり ●読書アドバイザ−の育成 ●書誌情報の電子化 読書推進活動としての「読み聞かせ」が盛んになった。この言葉は司書の専門用語だった。運動を進める人たちは、無償で活動する人々である。それに比し出版業界は何をしたのだろうか。出版編集者は産みの親でありながら、本をつくったら営業にまかせてしまう。読者の反応を出版編集に活かさねばならない。建築関係書フェアで、上位店に、知られない小書店が目立っていたのを見た。それは徹底的に建築事務所をマ−クした販売力の成果だった。書店の優劣は大小ではない。 <項目> ●読者への文化的奉仕をする総合センタ− ●日本の現代文化を提供する ●地域郷土文化を育成鼓舞する ●読者の意見を中央へ発信する 書店は太陽である。それぞれの地域の情報発信基地、受信基地である。文化の広域にわたる全体を取り扱っている。売場の「読み聞かせ」が活発になっている。これまでなかったことである。書店は売り方が下手と言われてきた。実際に出来る。能力がある。日本的な書店作りを。新刊書の供給、これは文化を創る手助けである。 <項目> ●高度化する書店機能を駆使する能力(書誌情報検索・PS処理) ●幅広い文化の素養と経営感覚 ●21世紀型書店の創造力 教育は、自分でも気ずかない能力を引きだすのものである。 21世紀書店は、地域のなかでなにが行われているのか、関心を持たねばならない。お客を迎え、本を売るだけのことであってはならない。 書店は、読者の声を出版社・取次へ発信する責任がある。これは書店が、太陽であり続けることの要件でもある。1000坪の書店を作っても、それをバックアップ出来る書店員は、忽然と現われるものではない。10年、20年の期間が必要である。 |
*講師プロフィール* 1930年大阪生まれ。大阪大学法学部卒。(株)田辺企画社長。旭屋書店・旭屋出版で洋書、企画部門から経営担当を経て(株)田辺企画設立。書店新風会会報編集室、出版流通評論、エッセイ、編集企画業務を手がける。著書に「本の森神話学」など。書店新風会顧問、JPIC読書アドバイザー専任講師、書店大学学長。日本出版学会・日本文芸家協会会員。 ![]() |
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| 理想の学校図書館−国民文化祭・出版文化展−/永井伸和 今井書店グループ | |||
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*講師プロフィール* 1942年生まれ。早稲田大学卒。今井書店グループ社長。学校図書館や地方出版物の振興運動に参加。 ![]() |
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